たとえばレストランやワインバーでは、ワインは一人で飲むわけではありません。
当たり前ですが自分以外にお連れ様やほかのお客様、お店のスタッフさんもいるなかでワインを飲みます。
そのためできればスマートにワインを飲みたいし、あわよくばかっこよく、きれいに飲みたいと思うものしょう。
最初に結論から言えば表層的なかっこよさならまだしもレストランやワインバーで映えるほどの内面からのかっこよさは一朝一夕にはできません。
ましてやあなた以外に海千山千の修羅場を潜り抜けたほかのお客様と比べるとなるとそれなりの経験値が必要なのは当然でしょう。
もっとも、このように聞くとおそらくあなたは
「いや、そんなこと言ったら怖くて人前でワインなんか飲めないじゃないか、そんなにハードルがのか」
と躊躇してしまうと思います。
でも大丈夫。
レストランやワインバーでワインをかっこよく飲む方法は数ありますが、最低限グラスの持ち方さえ押さえておけば何とかなります。
逆に言えば身なりやマナーはしっかりしていてもグラスの持ち方がダメだと全体としてダメということになりかねません。
それだけワイングラスの持ち方は重要なのです。
それだけ大事なグラスの持ち方、ここで少し見てみましょう。
ワイングラスの持ち方
基本をおさえよう
簡単に基礎的なことを説明すると、ワイングラスは下の図の〇の中の部分を持てばそれでいいので、特に難しいものではありません。
〇以外のワインが入る部分を持ってしまうと指紋でグラスが汚れてしまい、その結果ワイン自体がきれいに見えないのです。
そのため一般的には柄の部分をもち、飲むようにします。
女性であればバランスがとりにくく、こぼしてしまうんじゃないかという心配があるかもしれません。
しかし、大きなワイングラスには少量のワインしか注ぎませんので特に問題はないでしょう。
もし心配であれば事前にお店のスタッフに「大きなグラスは心配なので」と伝えれば小ぶりなものにしてくれます。
つかみ方
この写真はソムリエ世界チャンピオンのオリビエ・プシェ氏。
この持ち方はわかりやすいと思います。
親指、人差し指、中指でグラスの柄の部分をつかみ、薬指と小指はそれに合わせるというものです。
これが基本的な「美しい持ち方」と言えます。
↑の人も同じくソムリエ世界チャンピオンのエンリコ・ベルナルド氏。俳優のようですね。
これはグラスの平面の部分をつかむというものです。これは上級者向けと言えますね。
もっとも、これはワイン業界のひとでもなかなかできませんので、やや特殊な持ち方と言っていいでしょう。
かっこよければなんだっていいという矛盾
最初に矛盾するようですが、レストランやワインバーには最低限のマナーというものが存在しますし、マナーはどの分野にも大なり小なり存在するものです。
ただしワインのマナーはそれほど厳しいものではありません。
例えば、フランスではワインはもともと家庭的なもので、日本でいえばビールのように日常的に飲むものなので、マナーが厳しすぎるということはないのです。
そのため他者から見たときに不快でなかったり楽しい雰囲気が保てればそれでいいというのがその全体像でしょう。
実際にソムリエの認識でもワイングラスの持ち方については、煎じ詰めればかっこよければそれでいい(似合っていればそれでいい)という考え方が多いです。
実際に↑の写真はアメリカ大統領とフランス首相の乾杯時のものですが、見事に柄の部分を持っていません。
これは国際会議の場では「こぼさない」ということのほうが重要なのでこのようになったのですが、そうでなくてもさまになっていると思います。
この写真は007のダニエルクレイグですが、これも半端なくかっこよく映ると思います。
ただしこれはパーティーの席上でのひとこまです。
「よし!俺もこの持ち方を真似してやろう」
と思う人もいるかもしれませんが、そもそもこの形のグラスではワインは提供されません。
もしこの形のグラスででてきても、レストランやワインバーでは不向きですし、そのお店には失礼ですが先が思いやられます。
回し方
では、グラスの持ち方に加えてワインの回し方を見てみましょう。
ワインはグラスの中で回すことによって香りが広がります。
そのためレストランやワインバーではグラスをクルクル回す人をたくさん見かけると思います。
一般的にはテーブルの上で右利きであれば時計と反対周り、左利きであれば時計回りに回します。
右利きの場合は時計と反対周り↑
左利きの場合は時計回り↑
空中で回す
テーブルの上で回すのはよく見かけますが、さらに進化させて空中でワイングラスを回す人もいます。
ソムリエさんであればほとんどの方は空中でグラスを回します。
このようにグラスを持ち、斜めにします。
そして少しずつ回しますが、最初のうちは飛び散ってしまうのでお店でいきなりやるのは絶対にやめましょう。
お店に迷惑をかけてしまいますし、隣の客にひっかけたなんて言ったらシャレになりません。
最初であれば、例えば自宅で小ぶりなグラスで練習するのもいいですし、できれば先がつぼまったチューリップ型のグラスで練習するのがしやすいと思います。
ワインを入れる必要はありませんのでお水でも何でも構いません。
このように回せれば完璧です。
20分くらい練習すればだれでもできるようになりますので、ワインバーデビューを考えている人はご参考ください。
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