ガイヤック ワインとは?特徴とブドウ品種、合わせる料理

ガイヤック(GAILLAC)は、フランスの南西部にあるワイン産地です。

トゥールーズの北東であり、赤ワインの銘醸地として有名なカオールから、南東へ90kmのところにガイヤックの町があります。

ガイヤックの町周囲の丘陵の斜面に畑が広がっています。

ガイヤックは大西洋と地中海両方の影響を受けており、比較的温暖で乾燥しています。

 

紀元前7世紀ごろにはブドウ畑は開墾されていたといわれており、ガイヤックでは古くからワイン造りの歴史があります。

その後サンミッシェル修道院の力を借り、ガイヤックでのワイン生産は発展していきました。

 

この地域のワインの最大の特徴は、他ではまず見られないブドウ品種を使用するところにあります。

後述するブドウ品種はおそらく初めて聞くものがほとんどの方が多いでしょう。

普通の生産者であれば国際品種に切り替えて世界に打って出ようと考えるひともいそうなものなのに、ここの生産者はかたくなに伝統を守り続けています。

赤ワインが全体の6割を占めますが、品質的に知られているのは白とスパークリングワインです。

 

ガイヤック

ワインの全体像

ガイヤックには、ガロンヌ川に注ぎ込むタルン川の両岸に畑があります。

タルン川は大きな川ではありませんがフランスでも最も美しい川の一つとして知られています。

岩を切り開いて流れる渓流の美しさは、ワインファンでなくとも訪れる価値のあるものでしょう。

 

畑は右岸と左岸にまたがり、双方で異なる土壌構成を持ちます。

右岸は花崗岩や石灰岩質が多く、フレッシュなタイプのワインが生産されています。

左岸は砂や砂利などが多く、濃厚な赤ワインが生産されています。

 

ガイヤックでは白ワイン、赤ワイン、ロゼワイン、スパークリング ワインが生産されています。

栽培されている品種は、デュラス、フェル セルヴァドゥ、シラー、カベルネ ソーヴィニヨン、ラン ドレル、モーザックなどです。

すぐにわかる通り、ほとんどこの地方でしか聞かないものも多く、これがガイヤックのワインの特異性を際立たせています。

 

・赤・ロゼ→デュラス、フェール

・白→ランドレル、モーザック、モーザックロゼ、ミュスカデル

が主要品種で、とりあえずはこの辺りを押さえておけばいいでしょう。

 

ワインの特徴

ガイヤックの特徴としては、半甘口から辛口まである多彩な白ワインと、ガイヤック ムスーというスパークリングワインがあることです。

ガイヤックはAOCの規定だけでも様々あって、主に以下のAOCがあります。

・GAILLAC ガイヤック

・GAILLAC DOUX ガイヤック ドゥ―

・GAILLAC VENDANGES TARTIVES ガイヤック ヴァンダンジュタルティヴ

・GAILLAC MOUSSEUX ガイヤック ムス―

・GAILLAC PREMIERE COTES ガイヤック プルミエールコート

 

 

白ワインで使用されるブドウ品種は、ランドレル、モーザック、ミュスカデルなどですが、特にラン ドレルはほとんどガイヤックのみでしか栽培されていません。

その土着品種を用いて、個性的なワインを生産しています。

半甘口の白ワインは、ガイヤック ドゥーとしてリリースされています。

ガイヤック ムスーは、シャンパーニュと同じ瓶内二次発酵でスパークリングワインを作るか、ガイヤコワーズと呼ばれる、ガイヤックの伝統的な製法を使用しなければなりません。

ガイヤコワーズは、ワインを発酵の途中で瓶詰めし、残りの発酵を瓶内で行うものです(METHODE ANCESTRALE)。

とてもキメ細やかなスパークリング ワインが出来上がります。

ガイヤックヴァンダンジュタルティヴは遅積みの甘口で1リットル中の残糖100グラム以上が必要です。

ガイヤックプルミエールコートはAOC上は上級とされていますがほとんど生産はなく、実際にはほぼ機能していません。

 

飲み方のコツ

ガイヤックはブドウ品種の希少性はありますが、品質的には気軽に飲めるタイプで、緊張して飲むタイプではありません。

そのため赤白ロゼともやや冷やし気味に飲み始めて徐々に温度が上がっていく、という具合がちょうどいいでしょう。

白とロゼは8度程度、赤は15度程度に冷やし、そこから徐々に温度が2~3度上がる、というようなイメージです。

スパークリングワインは特殊な製法の上質なワインですので、グラスはできればきれいなフルートグラスを使っていただきましょう。

温度は8度程度で大丈夫です。

ガイヤックのワインはできれば気軽なパーティーなどでお飲みになるといいでしょう。

南フランス独特の果実の印象の強く、酸味の穏やかな飲みやすいワインが多く、それらがパーティーの雰囲気によく合うのです。

お昼間であれば屋外のバーベキューなどでいただくのが最高でしょう。

例えば白やスパークリングであれば豪快にイカを炭火で焼き揚げたようなお料理には最高のマリアージュといえます。




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