ジゴンダス ワインとは?特徴とブドウ品種、合わせる料理

ジゴンダス(GIGONDAS)はコートデュローヌ南部のAOCで、もともと1971年まではコートデュローヌヴィラージュでした。

しかし、その中のジゴンダス村のワインは品質が特に高く、ACコートデュローヌヴィラージュと均一の評価にはできないとのことで独自AOCとなるのです。

現状、決して高級ワインというわけではありませんが、とはいえ風味はシャトーヌフデュパプに似て大変に品質が高く、隠れた良質ワインと言えるでしょう。

1200ヘクタールほどの畑から40000hlほどを生産しています。

後述しますが赤とロゼが認められていますが、ロゼは商業ベースにならないほどの量しかありません(98:2で赤)。

そのためワインショップなどではジゴンダス=赤ワインととらえてもほぼ問題ないでしょう(試験では赤・ロゼと覚えましょう)。

 

ワインだけではなくて、ジゴンダスとともに隣のセギュレ(seguret)の村は街並みも美しく、南仏好きであれば一度は訪れることをお勧めします。

まだ観光客に知られていないためカフェとかビストロとかも商売っ気がなく、得した気分になります。

モナコやニースを歩くと、そこいるだけでビジネスのターゲットにされていることをつくづく思い知らされることになりますが、ここではそんなことはなく、心が洗われるようです。

ゆっくりした時間を楽しめるときにぜひどうぞ。


ジゴンダスは、名前の響きがワインらしくなく、怪獣にいてもおかしくないような響きで、これが損をしているのか、日本ではレストランやワインショップでもあまり見かけません。

カップルがロマンチックなディナーを楽しむときに、「ジゴンダスをください」といえるのはよほどのワイン通でしょう。

しかし、パリの星付きレストラン(特に勢いのある一つ星)などは上質なジゴンダスをオンリストし、お勧めするソムリエも多いです。

何といってもシャトーヌフデュパプに次ぐ品質を誇っていますし、銘柄によってはそれを上回るものもあるのです。

南ローヌで傑出したワインを飲んでみたい、という場合はジゴンダスを強くお勧めします。

環境の良さがそうさせたのか、最近は腕のいい生産者もこぞってジゴンダスを手掛けていて、選ぶ楽しみもあって、ユーザー様のワインの視野が広がることでしょう。

ジゴンダス

ワインの特徴

ジゴンダスは、フランス南部ローヌ地方に位置する生産地です。

1971年に赤・ロゼのワインがAOCの指定を受けました。

しかし、生産されているワインのほとんどが赤ワインです。ロゼワインもAOCの指定を受けた品質の高いものですが、その生産量は少量にとどまっています。

 

醸造には、グルナッシュ種が80%まで使用することができ、混醸にシラー種、ムールヴェードル種を15%以上用いています。

これらの品種を使って1年ほどの樽熟成を行いますが、渋みが強いので飲むまでには4~5年の熟成が必要でしょう。

 

ブドウの栽培は、自然公園のダンテル・ド・モンミライユ↑の山腹から平野部にかけて行われています。

畑の標高は高いところで600mほどになりますが、地中海性気候によって年間を通して暖かく、雨が少ないです。

山腹とその周辺では白亜紀にできたガリッグと呼ばれる石灰質の土壌、平野部は水はけに優れた砂質の土壌となっています。

ちなみにこの辺りの景観は素晴らしく、観光地としても素晴らしいのですが、まだ知られていない地域でもあります。

 

ワインの味わい

ジゴンダスの赤ワインは、グルナッシュ種による力強い濃厚な味わいが特徴です。

絹のような滑らかなタンニンと赤い果実のアロマが感じられます。

アルコール度数がやや高いのも特徴といえるでしょう。

 

この地域は日照量が強く、ブドウの新陳代謝が進み糖分と色素が豊富になるのです。

通常のフランスワインは12.5%ほどのアルコール度数ですが、ジゴンダスは14%程度のものが多く造られています。

高級ワインではありませんので、精緻さよりも飲みごたえやコクを楽しみたいワインといえます。

(一部の生産者は例外的に渋みが滑らかで大変に上質なワインを生産しています)

 

楽しみ方のコツ

ジゴンダスのワインは上質で重厚なフルボディの味わいが特徴のですが、一部の生産者を除いて高級ワインではありません。

そのため16度~18度程度のやや高めな温度でいただくのが良いでしょう。

冷やしすぎるとワインの渋みが強くなってしまうため、ワインの本来の味わいを損ねてしまいます。

逆に温度が上がりすぎると荒々しさが感じられるかもしれないのです。

 

力強い味わいが特徴のワインなので、グラスはタンニンや酸をバランスよく感じることができるボルドータイプのものがおすすめです。

熟成を経るとさらに深みが増します。平均的な熟成期間は3年から5年なので、熟成が足りないものは、デカンタージュをして空気に触れさせるとよいでしょう。

 

生産者によっては、10年程度の長期熟成に耐えるタイプのものもあります。

長い間熟成させると内部に澱が貯まっていくため、そのような場合には澱を除去する目的でデカンタを利用しましょう。

 

合わせる料理

ジゴンダスは香りが強く濃厚な赤ワインなので、ボリュームのある料理との相性に優れています。

味わいも渋味と果実味が濃厚で凝縮感がありますが、もともと決して高級ワインではありません。

そのため例えば気軽な仲間内でのテラスでのバーベキューなどにぴったりのワインと言えるでしょう。

例えば牛ロース肉をグリル焼きにして、バーベキューソースを添えたようなお料理は最高のマリアージュでしょう。

 

 

グルナッシュは果実味が豊富なので、しょうゆベースで甘く仕上げた料理も合わしやすいでしょう。

すき焼きや鶏肉の照り焼きに合わせてみれば、ジゴンダスの濃縮した味わいとたれの風味、肉の味わいがよく合います。




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