サンブリ(SAINT BRIS)は、1974年にVDQSワインに認定されて「ソーヴィニョン・ド・サンブリ」という名前でしたが、地方名AOCのサンブリに昇格しました。
ブルゴーニュでは珍しいソービニヨンブランで作られる白ワインです。
イランシー同様、白ワインはシャルドネをほぼ生産量の全量でしたが、地元でもソーヴィニヨンブランを飲みたいという需要があり、それにこたえてもともと造っていたワインです。
もともと石灰質土壌なのでソーヴィニヨンブランには最適な環境で、品質は高かったのですがマーケティングが内向きであまり知られていませんでした。
ところが世界的なワインブームで「ほかにももっといいワインはないか」という潜在需要に見つかり、知られていったワインです。
おおよそ100ヘクタールの畑から4000ヘクトリットルのワインを生産しています。
日本で見かけることはほとんどありませんが、以下の生産者は優良なサンブリです。
見かけた際はお試しください。
ジャケ(Le Domaine Jacquet)
ランパール(Le Domaine des Remparts à Saint-Bris le Vineux)
グランロッシュ(Le Domaine Grand Roche à Saint-Bris le Vineux)
サンブリ
ワインの全体像
ブルゴーニュ地方のグラン・オーセロワ地区にあるサンブリルヴィヌー村を中心とした5つの村のみで生産された白ワインがAOCに認定されています。
この内3つの村ではAOCイランシーも生産されています。
五つの村は以下のとおりです。
シトリー(Chitry)
イランシー(Irancy)
クーンヌ(Quenne)
サンブリ ル ヴィヌー(Saint-Bris-le-Vineux)
ヴァンスロット(Vincelottes)
ブドウ品種はソービニヨンブラン(ソーヴィニヨングリも認められている)となり、シャルドネを主体として作るブルゴーニュ地方の中で、唯一ソービニヨンブランを主体としています。
土壌はシャブリ地区同様、石灰質や泥灰混ざりとなるためミネラル豊富でアロマの高いブドウが育ちます。
この土壌もソービニヨンブランの栽培に適しているのです。
約70年前にサンセールより移植されたことが始まりで栽培されるようになったと言われています。
冷涼な気候のため、安定しないものの生産者の努力で高評価を維持しています。
ワインの味わい
サンブリは淡い黄金色で、柑橘系やトロピカルな果実、花のような柔らかさも加わる複雑なアロマです。
熟成させることで、果実のアロマが深まります。
香り高いワインに仕上がるのは、やはりソービニヨンブラン100%で作られたワインだからと言えるでしょう。
軽くフレッシュな辛口白ワインで、生き生きした酸が心地良く口の中に広がります。
余韻にはミネラルやグレープフルーツのようなほろ苦さが残ることも特徴でしょう。
楽しみ方のコツ
おすすめのサービス温度は、食前であれば少し冷たく8~10度に冷やすと心地良く飲むことができます。
食事中に飲む場合には、10~12度がおすすめです。
香り高いので、牡蠣や甲殻類とのマリアージュは素晴らしいものとなります。
魚料理やスパイシーな料理との相性も良くなっています。
チーズであれば、山羊のチーズと合わせると良いでしょう。
果実味が強く、軽い飲み口なので女性の方やワイン初心者の方にもおすすめです。
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