ヴィンテージワインは、一般のデイリーワインと違って何かイベントごとの時に開けることが多いです。
そのため最低でも数日、長い場合は数年ご自宅で保存することになることも予想されます。
しかし、自宅で保存するとなるとどうしても「ワインセラーが必要なんじゃないか」「自宅で保存するのは難しいのではないか」と思うことも多いかもしれません。
しかし、ワインはもともと酸や渋味、アルコールなどの抗酸化物質を含んでいますし、ほんの少しのポイントをおさえることでご自宅でもヴィンテージワインを保存することは可能です。
ヴィンテージワインの保存
ワインの天敵を知ろう
ヴィンテージワインを保存する前に、ワインの保存にとってもっともいけないことを押さえておきましょう。
ワインの保存にとっての天敵は
①直射日光
②急激な温度変化
③大きな振動
です。
逆に言えばここに挙げたポイントさえ押さえればご自宅での保存は問題ない、と考えることもできるのです。
まず、直射日光はワインにとって一番いけないポイントで、強い直射日光は色素成分に変調をもたらし、これによって芳香成分にも影響を与えてしまいます。
急激な温度変化は、ボトルの中の液体や空気が膨張したり収縮することでコルクに影響が出てしまい、長期の熟成に影響を与えます。
また、大きな振動はそもそもデリケートなヴィンテージワインの組成にとって好ましくありません。
(厳密に言えば、振動によってワインの諸成分が不溶性になって変調をもたらす可能性が高まる)
ご自宅での保存
では、これらをおさえたうえでご自宅でヴィンテージワインを保存する方法を検討しましょう。
ご自宅で最も涼しく、温度変化の少ないところといえば、例えば押し入れの奥や一軒家であれば地下蔵などでしょう。
この辺りであれば直射日光の防げますし、かつ振動も心配しなくていいことがほとんどでしょう。
逆に、自宅ではどこにもこのような場所が見当たらないという場合はワインセラーの購入などの検討が必要だということになります。
冷蔵庫での保存は絶対NG
では、冷蔵庫での保存はいかがでしょうか?
冷蔵庫(野菜庫)は温度はたもたれているのですが、湿度が乾いていてコルクがダメになってしまいます。
長期熟成のヴィンテージワインの場合、コルクがそもそも劣化していることも考えられますので、これが冷蔵庫の低い湿度でさらに劣化が進むことも考えられます。
また、冷蔵庫は開け閉めが多いため振動がワインに伝わりやすく、これもワインの保存にとって好ましくありません。
保存したい場合は若めのワインを購入
もし、どうしてもヴィンテージワインをコレクションとして保存しておきたい、という場合は、数年の熟成を検討することになります。
この場合は、収穫から10年以上たった「今が飲み頃のワイン」ではなく、リリースしたての若いワインを買うことをお勧めします。
若いワインであればこれから熟成に向かう準備が整っていますし、コルクも傷んでいませんので、ある程度の環境に対応が可能でしょう。
逆に古くなったヴィンテージワインはすでに飲み頃か、あるいは飲み頃を過ぎてしまったタイミングであることも多いでしょう。
こうなるとすでにデリケートな状態なので、環境に対応するのが難しくなることも考えられるのです。
すでに古いヴィンテージのワインを購入する場合は、できるだけ早めに飲んでしまうことをお勧めします。
まとめ
ヴィンテージワインを購入する目的は人それぞれでしょう。
プレゼントかもしれませんし、自分へのご褒美かもしれませんし、コレクションかもしれません。
ご自宅で保存していざ飲もうとしたら環境が悪くてワインがダメになっていたなんてことは誰でも避けたいものでしょう。
もちろん、本当にしっかりとした熟成をさせたいという場合はやはりワインセラーが必要ですが、そうでない場合であればご自宅で探すことで、保存は十分に可能なのです。