ヴィンテージワインは、おおよそ収穫から10年以上たった熟成物のワインのことを指しますが、日常使いのコンビニやスーパーのワインと性質が違いますので、飲み方そのものも若干違いがあります。
おそらくプレゼントや記念に購入したワインを飲もうとしても、せっかく飲むのだから失敗したくない、と思うのは当然のことでしょう。
また、ワインのことを考えればせっかく長い期間熟成をさせたのだから、飲むのであれば最高の状態でいただくのが飲み手にもワインにとっても理想的なのはその通りでしょう。
ここでは、ヴィンテージワインをどのようの飲めばいいか、どのように楽しめばいいかをご紹介します。
ヴィンテージワインの飲み方
デイリーワインとの違い
いわゆるコンビニやスーパーなどで売られている1000円以下のワインは、出荷したらできる限り早く消費されることを前提にワイン造りをしています。
つまり、出荷した段階が最もおいしく、その後は穏やかな加工曲線を描くイメージでしょう。
しかし、ヴィンテージワインは出荷した段階がピークではありません。
ぶどうを収穫し、ワイン造りをし、出荷してから数年後が最もおいしくなることを前提にワイナリーは考えているのです。
具体的に何が違うのかといえば、いろいろありますが煎じ詰めればワインの凝縮感に集約されるでしょう。
ワインは「水」と「水以外の物質」に分かれますが、このうち水以外の物質の含有量が多いため、ワインは酸化が抑制され、結果として熟成向きのワイン=ヴィンテージワインとなるのです。
最低2~3日は寝かせておこう
例えば通販サイトやいただきものでヴィンテージをワインを受け取ると、通常は受け取るまでの間に振動がワインに伝わります。
車で運ぶときや人が運ぶときに大なり小なり振動が加わるのは仕方のないことでしょう。
ヴィンテージワインはデリケートなため、この間に酒質がバランスを崩す可能性があるのです。
また、古いワインは澱があることも多いので、これを沈殿させるためにもある程度の日数は寝かせておくのがベストでしょう。
日数に関しては本当は1週間は置きたいところですが、あまり神経質になりすぎるのもワインを楽しめなくなる可能性もあります。
澱は2~3日もあれば沈殿しますので、このくらいの日数で問題ありません。
デカンタージュは必要?
例えばボルドーワインで10年以上寝かせると、澱がボトルの底に沈殿してきます。
これをボトルから直接グラスに注ぐと澱が舞ってしまい、グラスにも入り込んでしまいます。
澱はワインの諸成分が年月をかけて不溶性になったものが結合したものですので、決して体に悪いものではありません。
しかし見た目にもいいものではありませんのでこれをデカンタージュして取り除くのです。
デカンタージュといっても単にワインをほかの入れ物に移すだけなので、あまり心配しなくていいでしょう。
しかし、デカンタージュはワインを急激に空気に触れさせることになるため、極端に古いワインは逆にワインの酒質を壊してしまう可能性があります。
また、もともとデリケートなブルゴーニュワインは古酒であっても基本的にデカンタージュはしないことが多いです。
ボルドーワインであっても20年以上熟成させたワインは、飲む前にボトルを立ててオリを沈殿させ、そっとグラスに注ぐのがベストでしょう。
温度やグラスは?
ヴィンテージワインは熟成のピークであれば大ぶりのグラスがいいのですが、熟成を超えたワインの場合は大ぶりのグラスだと香りが霧散してしまう可能性があります。
そのため極端な古酒の場合は中ぶりのグラスがいいでしょう。
ただし、温度に関しては通常のセオリー通りの温度で構いません。
白であれば8~10度、赤であれば18~20度で問題ありません。
注意点は?
ヴィンテージワインはコルクがボロボロになっている可能性があります。
コルクは自然物なので当然いつかは腐食しますので、仕方がないことで、このような場合にソムリエナイフで抜栓するのはなかなか難しいものです。
引き抜こうとするとコルクは抜けずに、ソムリエナイフの周りだけボロボロになったコルクとともに抜けてしまったという記憶がある人はいるかもしれません。
そのため、これに関しては技術を磨くか、あるいはそうなった場合のことを考えてワイン用のじょうろを用意するか、それでもいいと心構えをして飲むしかありません。
また、ヴィンテージワインは一度開けてしまえばもう二度と瓶には戻りません。
できればのむときの環境にも配慮し、静かで、清潔で、ワインに集中できる環境で飲むようにできれば最高ですね。
まとめ
ヴィンテージワインはを飲むくらいですから、相当の気持ちがこもっているかもしれません。
誕生日か、結婚記念日か、合格祝いが、あるいはプロポーズにお考えかもしれません。
目的はイベントの成功かもしれませんが、いただくのであればぜひワインも楽しめればいいですね。
ここまでお読みのあなたであれば、きっとワインも最高に楽しめるはずです。