ヴィンテージワインは熟成感を楽しむワインです。
ワインファンであればヴィンテージワインの熟成のピークを飲みたいと思っている人は多いでしょう。
しかし、実際にどのくらいの年月がワインにとってベストの熟成なのかは、プロであってもなかなか難しいといえます。
一度開けてしまえばまたコルクをして再度寝かせる、なんてことはできませんので、ここで最低限のヴィンテージワインの飲み頃をおさえておきましょう。
ヴィンテージワインの飲み頃
熟成に向かないワインとは?
ヴィンテージワインの熟成の前に、そもそも「熟成に向かないワイン」がありますので、ここをおさえましょう。
そもそもワインには
「熟成向き」のワイン
と
「フレッシュ感を味わう」のワイン
の二つがあって、いくら寝かせてもフレッシュ感を味わうワインであれば熟成感を味わうことはできません。
フレッシュ感を味わうワインとは、まずはすっきりした白ワインやロゼワインがあげられます。
ムスカデやロゼダンジュのようなワインは熟成させてもフレッシュさが落ちる一方なので、1~2年のうちに飲み切るべきでしょう。
また、価格帯としても1000円程度のワインは熟成向き造るのは難しいので、これもやはりなるべく早く飲んだほうがいいですね。
熟成向きのワインとは?
では、逆に熟成向きのワインとはどのようなものでしょうか?
ワインは煎じ詰めれば「水分」と「それ以外の要素」に分かれます。
そして、「それ以外の要素」の割合が大きければ大きいほど熟成にむといっていいでしょう。
・アルコール
・渋み(タンニン)
・色素成分
・エキス分
・酸
これらが多いと、酸化が抑制され、結果として熟成向きのワインとなるのです。
例えばボルドーやブルゴーニュであっても凝縮感があるワインは一般的に熟成向きでしょう。
これらのワインは若いうちは閉じていて、10年以上たって本当の魅力を発揮するなんてことはざらにあります。
一般的なヴィンテージワインの飲み頃
では、ヴィンテージワインの飲み頃とはどのようなものでしょうか。
まず、赤ワインであれば、熟成向きのワインは通常は5~10年は待ちたいところでしょう。
そのうえで、
ボルドーでもメドックやグラーヴは15~20年、サンテミリオンやポムロールは10年程度、
ブルゴーニュでは1級クラスで10~15年、特級クラスであれば20年程度は十分に熟成によって品質が向上します。
白ワインであれば
ブルゴーニュの1級ワインは10~15年、ムルソーの1級や特級ワインは20年は十分に熟成させることが可能です。
まとめ
ヴィンテージワインは、熟成させることで本当の価値を発揮します。
残念ながら、最近ではヴィンテージワインであっても早く飲まれることが多いのですが、これは経済のスピード化を考えると仕方のないことなのかもしれません。
最近のワイン造りは、このような背景を考慮して熟成向きのワインであっても早くから楽しめるように配慮がされていますが、魅力を最大化させているとは言えないでしょう。
また、ご家庭であると、若いワインを買ってそれを熟成させようにもワインセラーでもない限り最適な環境が見つからないこともあり得ます。
このような場合は無理をせずに信頼のおけるワインショップが熟成させたワインを購入するのがベストな方法といえますね。