コート ドール(COTE D’OR)は、フランスのブルゴーニュ地方に位置しているワイン産地です。
コートドールとは「黄金の丘」という意味を持ち、南北にいくつもの丘が連なっています。
約50kmほど続く細長い地域であり、コート ドールは北部のコート ド ニュイ、南部のコート ド ボーヌによって構成されています。
ボルドー地方と共にフランスの二大産地であるブルゴーニュ地方の中でも、コート ドールはワインの銘醸地として知られています。
コート ドールはディジョンのすぐ南から、マランジュまで26もの村が続いており、各村で品質の高いワインが生産されています。
コートドール
黄金の丘
コートドール(COTE D’OR)はフランス語で黄金の丘という意味です。
名前の由来ははっきりしていませんが、
①秋の季節にブドウの紅葉が夕陽を浴びて黄金色に見えるから
②ほかのどのような金鉱山よりも価値を生み出している丘だから
などの説があります。
どちらにしてもワインがその源泉となっていることに異論はないでしょう。
しかし、これは一方で、コートドールはワイン以外のとりえのない丘であるということも併せて付言することになります。
乾燥して貧相な土壌と、丘と言ってもただの小さな山が連なっているだけの場所とも言えなくもありません。
近隣に大都市があるわけでもないし、観光名所もワイン以外にこれと言って見当たりません。
にもかかわらずブルゴーニュを世界に知らしめ、虜にしているのがブルゴーニュワインなのです。
ブルゴーニュの中枢地区
コートドールは、↑の画面を見てわかる通り、ボーヌの街を中心としてディジョンから始まり、そこから50㎞程南下するシャサーニュやピュリニーまでの地域を指します。
広義ではもう少し広範囲な地域を指すのですが、ブルゴーニュワインのキーワードとしては、コートドボーヌとコートドニュイを合わせた地区をコートドールと言います。
逆にいうと、ブルゴーニュからシャブリとボジョレー、マコン、コートシャロネーズを差し引いたものがコートドールです。
ディジョンから伸びている国道74号線の西側を中心にブドウが栽培されており、コートと呼ばれる丘陵の東向きの斜面上で特に良質なブドウが栽培されています。
この斜面は表土が薄いためブドウの根は地中深くまで根付くことが出来、様々な養分を地中から吸収することが出来ます。
また東向きの斜面であるため、効率的に日照を得ることが出来、水はけが良いなどのブドウ造りに適した条件を持ちます。
丘陵はいくつもの背斜谷によって切れ目が入っており、多様な栽培環境が形作られています。土壌は石灰質や一部粘土質土壌で主に構成されています。
細長い生産地域
コート ドールでは主にピノ ノワールとシャルドネがそれぞれ赤ワイン、白ワイン用品種として使用されています。
その他には少量ですが、ガメイやピノ グリ、アリゴテ、ピノ ブランなども栽培されています。
コート ドールでのワイン造りは、2世紀ごろにローマ人が伝えたと言われています。
その後シトー派を中心としたキリスト教勢力がワイン造りを進展させ、ブドウ畑を細かく区分していきました。
その修道士達の区分けを元に「特級畑」や「一級畑」が規定され、畑自体が格付けされています。
その結果「テロワール」という概念がコート ドールで深く根付くことになりました。
コート ドールのワインは基本的に単一のブドウ品種を使用して造られているため、ブドウが栽培された土地の特徴が綺麗にワインに反映されています。
コートドールはブドウが斜面に細長く連なってて、これは世界のワイン産地でも珍しいといわれています。
ただし上から下までびっしり植えているかと言えばそうではなく、中心部分によってブドウは栽培されています。
これは、
①斜面の上方になると土地がやせすぎていたり、風にさらされる
②斜面の下方は裾野から平野へは沖積度になり、土壌が肥えすぎているためワイン用ブドウとしては好ましくない
の理由から、おおよそ中腹あたりに細長く畑が連なります。
畑の緯度、高度、斜面の傾斜、方位を優れたものを選んでブドウを植えているということで、これがミクロクリマと呼ばれる所以です。
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