MARSALA(以下マルサラ)はシチリア島の西部に位置し、シチリア島内でも最もワインの生産量が多くなっています。
1770年頃から生産されており、1969年にDOCに認定されました。
このマルサラは酒精強化ワイン(フォーティファイドワイン)となっており、ワインにアルコールを混ぜて造る独特なワインとなります。
そのため通常のワインよりもアルコール度数が高く、18度前後となります。
スペインのシェリー、ポルトガルのポートやマデイラなどと共に4大酒精強化ワインと呼ばれています。
マルサラワイン
ブドウの品種
マルサラは多くのブドウ品種を使用していますが、カタッラット種やインツォリオ種やグリッコ種をおもに用います。
アルコール発酵後、白ワインにブランデーやワイン蒸留酒などを加えた後、オーク樽で熟成します。
この熟成期間が1年のものはフィーネと呼びます。
2年のものはスペリオーレ、4年はスペリオーレ・レゼルヴァ、10年はヴェルジネ・ストラヴェッキオと呼ばれます。
シチリアの太陽をたっぷりと浴び、土壌は溶岩土壌となるためミネラル豊富で糖分の高いブドウが育ちます。
もともと日照量が大変につよく、エアコンなどの設備がない時代はスティルワインだと品質の劣化がみられていました。
そこでワインに蒸留アルコールを添加し、微生物の発生を抑制することで長期熟成に耐えうる製法をうみ出したのです。
そのワインは、実際にワイン単体としても味わい深く、シチリアを代表する名産ワインとなったのです。
マルサラの特徴
マルサラワインは強い木の香りやカラメルのブーケなど、豊かなアロマが感じられるワインとなります。
これは樽熟成中におこる化学反応(アミノカルボニル反応)などの影響です。
辛口ワインから甘味の強いデザートワインまであり、デザートの調理酒として使用される場合もあります。
ローストビーフのグレイビーソースの味わいにコクを出すためにマルサラワインを加えるシェフもいます。
色によって大きく3種類に分けられており、黄金色はオーロ、琥珀色はアンブラ、ルビー色の物はルビーノとなります。
ルビーノは黒ブドウ種との混合が認められています。
辛さによっても3種類に分けられており、セッコ 辛口・セミ・セッコ 中辛口・ドルチェ 甘口となります。
相性の良い料理
食前酒やデザートワインとして飲まれることが多いワインとなります。
高いアルコール度数となるため、食前酒として飲めば胃を刺激して食欲を増進させます。
ただし甘口のワインは糖分が高すぎるので食前酒には辛口のものが合います。
食後にはデザートワインとして楽しむため、甘口のものが相性良くなります。
ティラミスを作る際にも使用され、料理のソースやお菓子の風味付けにも使用されます。
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