SAVENNIERES(サヴニエール)はフランスのロワール地方のAOCで、シュナン・ブラン(CHENIN BLANC)の白ワインのみが認められています。
生産地域はアンジュ市の西側にあたり、ロワール河の右岸ぞいにある小さな地区です。
この地域は美しい古城がならび、古くからのフランス庭園というイメージがあり、大変に風情があり観光地として人気があります。
そのため日本からのツアーも組まれ観光客も多く、「ロワール古城めぐり」と言えばサヴニエール近辺の古城がメインになります。
サヴニエール ワイン
隠れた高品質の辛口白ワイン
サヴニエールはフランス本国ではロワールを代表する辛口白ワインとして知られていますが、日本ではあまり知られていません。
マイナーなうえに希少価値もあって高価になりやすく、そうなると同価格帯のブルゴーニュの白を選びがちになるものです。
また、同じロワールのサンセールやプ
イィフュメに比べると相対的に価格が高く、選ばれにくいのです。
品質の高いワインであるのにいまいちメジャーになりきれていないのですが、生産量が少ないためこれでいいのかもしれません。
実際には酸味の繊細さと上質な果実味はロワールどころかフランスを代表する完成度があり、ブルゴーニュの白が好きなワインファンであればきっと満足してもらえる味わいです。
ロワール最高の白ワイン
サヴニエールは生産数が少ないので希少価値も高く、小さな地区ながらもその「ロワール最高の白ワイン」を生み出す産地として知られています。
20世紀初頭までは、貴重な白ワインとして貴族階級に愛されたワインで、ローヌのシャトーグリエと並ぶ極上の白ワインと呼ばれるようになります。
熟成することでこの上ない完成度に仕上がり、酸味の骨格がしっかりしているため20年以上の熟成に耐えます。
サヴニエールには多くのクリュがありますが、大半が山の頂上に位置しています。
その中でも唯一斜面にある2つのクリュが「特別格」とされています。
その2つがロッシュ・オー・モワンヌと、クレ・ド・セランです。
二つのAOCは最高のワインと評価されており、世界中のワイン商が長年通っても分けてもらえることが出来ないような貴重なワインとされています。
ブドウの品種
サヴニエール村で生産されているシュナンブラン種のブドウで造られています。
手積みによって収穫されており、同じ区画でも成熟度に差が出るため分けて収穫が行われます。
土壌がミネラル成分を多く含むシストや砂岩となります。
本来ならば冷涼な気候にも適しているシュナンブランですが、サヴニエールは独特の凝縮感が求められ、冷涼なだけの気象条件では決して評価されません。
そのため上質なサヴニエールは斜面の中腹に集中しています。
サヴニエールのシスト(花崗岩)土壌↑
ワインの特徴
サヴニエールは香り高く骨格のしっかりした白ワインとなっており、の最も大きな特徴としては、熟成度によって味わいが異なることです。
若いうちはミネラル豊富で、柑橘系果実が感じられますが、熟成していくと蜜のようなアミノ酸系の旨みのある複雑な味わいとなります。
そして10年以上寝かせると、再び強いなミネラルが感じられるようになるのです。
サヴニエールのワイナリーはビオディナミを取り入れるところが多く、しかも強くこだわったイメージがあります。
生産量が少ないためコアなビオワインファンに消費される傾向があり、これが価格を押し上げているのかもしれません。
飲み方のコツ
サヴニエールは白ワインの中でも凝縮感があり、若いうちは酸味や果実味が爽快で生き生きし、さらに熟成することで豊かな第三アロマが広がります。
白ワインではありますがあまり冷やしすぎずに10~12度程度の冷やし具合がおすすめです。
この温度はなかなか難しく、水道水にすこし氷をいれて温度を調節し、そこにボトルを入れることで調整が可能です。
また、できればグラスにもこだわりたいワインで、中ぶりの美しいフォルムのチューリップ型が最高です。
空気に触れることで真価を発揮するワインですので、白ワインであってもデカンタージュしてみるのもいいでしょう。
気分を盛り上げて、できれば周辺知識を得たうえで、よい環境でいただきたいワインです。
相性の良い料理
リッチな味わいとミネラル感のあるサヴニエールは、魚介類との相性が良いでしょう。
爽やかな酸味と柑橘風味があるので、白カビ系チーズや海鮮料理との相性が良くなっています。
熟成度によって変わる味わいを飲み比べてみて欲しいワインです。
日本料理であれば、例えば甘鯛を鱗ごと焼き揚げた若狭焼を思い浮かべてみてください。
(画像は若狭焼の技法を取り入れたフレンチです)
鱗のさくっとした歯触りと甘鯛の磯の香り、これをサヴニエールの繊細な味わいと合わせるのです。
きっと最高のマリアージュでしょう。
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