バンドール ワインとは?特徴とブドウ品種、合わせる料理

BANDOL(以下バンドール)は、プロヴァンス地方でも地中海沿岸にあるAOCです。

赤ワインが大部分を占めるAOCで、日本では一部のワインショップ以外はほとんど見かけません。

ただし品質はプロヴァンスワインの中では最上のもので、ボディがあり熟成にも耐え、豊潤で複雑な味わいを楽しめます。

(ウェブ上ではバンドルとも呼ばれていますが、実際の発音はバンドールと伸ばします)

 

バンドールにある8つの村(スーアペラシオン)は以下のとおりです。

ル・ボセー (Le Beausset)

ラ・カディエール・ダジュール (La Cadière-d’Azur)

ル・カストレ (Le Castellet)

オリウール (Ollioules)

サン・シール・スュル・メール (Saint-Cyr-sur-Mer)

エヴノス (Évenos)

サナリー・シュル・メール (Sanary-sur-Mer)

バンドール(Bandol)

 

 

バンドール ワイン

プロヴァンスを代表する赤ワイン

 

バンドールは、気軽さがウリのプロヴァンスにしては重厚なイメージで、この地域を代表する高品質のワインとして有名です。

 

ワインの歴史は古く、古代ギリシャ時代からブドウが栽培されており、そこからワイン造りが始まったと言われています。

 

バンドールワインが有名になったのは大航海時代です。

海岸沿いでワインが栽培・醸造されるため流通に都合がよかったのです。

味わいとしてもどっしりして熟成タイプのバンドールは長い船旅にも最適だったのでしょう。

野心家の冒険家が船の上でバンドールを飲む姿は、いかにも勇ましさを想像させますね。

 

 

ブドウの品種

バンドールの中でも質が高く有名なワインは、ムールヴェードルを使用した赤ワインで、力強い仕上がりとなっています。

このムールヴェドールはフランスのブドウ品種の中でも最も古い品種のひとつになります。

また、世界各地でも生産されていて、スペインではモナストレルというシノニムで栽培されています。

他にもサンソーやグルナッシュノワールなどの混醸が認められています。

単一で仕上げることもありますが、日照量が強いため多くはムールヴェードルを主体としてブレンドさせて造ります。

またロゼや白ワインも生産されています。

ロゼにはムールヴェードルやサンソーやグルナッシュを使用しており、白ワインはクレレットやユニブランを使用しています。

丘陵地帯にあるブドウ畑で標高が高く、石灰岩の土壌となります。

この土壌によってミネラルを多くふくむブドウが栽培されています。

また降水量が少ない地域ながらも、地中海からの湿った風によって南フランス独特の暑さから守られているのです。

 

 

バンドールの特徴

バンドールの赤ワインはボディのしっかりした重厚かつ質の高いワインとなります。

果実味を感じることが出来る豊かな味わいはバンドールならではといえるでしょう。

特にムールヴェードルのワインはプロヴァンス地方で最も良質なワインなだけあり、奥深さとスパイシーさを楽しむことが出来ます。

フルボディのワインですし、タンニンを多く含むのでデカンタージュして酸化促進させることでより一層味わいに広がりを感じるでしょう。

 

ロゼに関してはサーモンピンクの色が可愛らしく、フレッシュな味わいとなります。

白ワインは生産量が少ないものの、爽やかさを楽しめるワインとなっています。

ただし、白・ロゼに関してはこの地域でもバンドール以外に著名なワインがあり、生産量もごく微量なので一般のワインファンにとってはほとんど目にすることはありません。

 

飲み方のコツ

バンドールの赤は渋みも果実味も強いですが、温暖な気候のためボルドーやブルゴーニュに比べると酸味が穏やかです。

そのため温度を高くしてしまうと締まりのない味に感じてしまう可能性もありますので、できれば16度くらいに設定するのがベストでしょう。

飲み始めはきりっと感じていても、徐々に温度が上がることで香りや味わいも華やいできます。

グラスは大ぶりのものでなくてもいいですが、先がつぼまったチューリップグラスをきれいに磨き、ワインの美しい外観も楽しみたいですね。

熟成したバンドールはほとんど出回っていませんが、もし10年以上前の収穫であればデキャンタ―ジュをしてオリを取り除きましょう。

 

相性の良い料理

豊かな味わいの赤ワインには、肉料理でも生ハムや牛肉のトマト煮込みなどの風味が強い料理が相性良くなっています。

またジビエ料理なと赤肉類との相性も抜群です。

熟成させたバンドールはジビエのようなミネラルの香りが感じられるのです。

チーズであればフェタチーズやブロッチュチーズなどがお勧めです。

チーズも作りたてのフレッシュのものではなく、やや熟成させたもののほうがより一層マリアージュを楽しめます。




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