イタリアは世界最大級のワイン生産国で、毎年大量のワインがつくられています。
玉石混交のワインの中から質の良いものを保護するために、法律によっていくつかの等級に分けて管理しています。
その中で、最も上位に位置づけられるものがDOPワインです。
もともとはDOCGやDOCという区分だったのですが、EUワイン法が制定されたことによりDOPに統一されました。
現在は過渡期で、実際の市場にはDOCGやDOCと記載するワインもあれば、DOPと記載があるものもあります。
ここでは、イタリアのワインがどのような区分によって分けられているかDOPとDOCGに絞ってを解説していきます。
DOPとDOCGワインの全体像
EU法の新ワイン規則
現在のイタリアでは、ワインの品質を管理するために、EU法の新ワイン規則が制定されています。
EU法では、
・D.O.P.(DENOMINAZZIONE di ORIGINE PROTETTA 保護指定原産地呼称ワイン)
・I.G.P(INDICAZIONE GEOGRAFICA PROTETTA 保護指定地域表示ワイン)
・VINO(地理的表示なし)
に分類されます。
EU法では、ワインを上記3つの等級に分けています。
上にあるものほど等級が高く、当たり前ですが厳しい条件を満たしている必要があります。
DOC,DOCGとは?
DOPの成り立ちの前に、EU法以前のワインの格付けを簡単に見てみましょう。
DOC法は、1963年に施法され、その時には上の等級から順に、「DOC」、「IGT」、「VdT」という3つに定められました。
その後、1980年に最上位の等級に「DOCG」が加えられます。
DOCGはDENOMINAZZIONE di ORIGINE CONTROLLATA e GARANTITAとつづり、日本語では統制保証原産地呼称と訳します。
DOCGワインにはバローロやバルバレスコ、ブルネッロディモンタルチーノなどの特に優れたワインや、キャンティやアスティなどの伝統あるワインが認められました。
ただし、品質が年々向上するイタリアンワイン界のあいだには、なぜDOCG七日の根拠があいまいであったり、下の格付けのDOCのほうが品質が高いものも多く、批判も多かったのです。
そのため、DOCGやDOCの区分はEU法の制定とともに一度仕切り直しをしてDOPに統一してみようということになり、現在に至ります。
現在もDOCやDOCGは表記可能
前述しましたよに、現在のイタリアワインの制度は過渡期でして、それまでのDOCやDOCGとDOPが混在して市場にあるという状況です。
それまでのDOCGワインの生産者からすれば「なぜ自分たちがDOCと同じ格付けにされなければならないんだ」という気分にもなるのが人情でしょう。
しかし、イタリアワイン界の流れではDOPに完全にシフトしていて、年月をかけてDOPに統一されていくものと見られています。
DOPワイン
DOPワインは、DOC法が2009年にEUの原産地名称保護制度に従って修正される際に定められます。
従来の区分であったDOCGとDOCという2つの等級がまとめられる形で誕生するのです。
また、かつてのIGTとVdTもそれぞれ、IGPとVINOという分類に改められました。
現在は従来の表記と新表記のラベルが混在して流通している状況なので、「DOP」「DOC」「DOCG」のいずれかがあるものがDOPワインであると覚えておきましょう。
DOPワインの特徴
DOPワインは、特定の地域のブドウを100パーセント使い生産したうえで、熟成期間やアルコール度数などが厳しい基準で定められているため、高い品質が保証されています。
また、DOPワインの中でもDOCGの記載のあるものはより厳しい制約のもとで生産されているため、世界でも最高クラスの品質となっています。
1つ下の等級にあたるIGPは、そのワインに使われるブドウのうち85パーセント以上がその土地で作られたものに認められています。一番下の等級であるVINOでは、特に規制はありません。
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