すき焼きは牛肉のスライスを醤油やだし、砂糖で味を調えたわりしたで軽く煮込む料理です。
牛肉以外の素材も同様に煮込まれますが、料理の存在感から言ってマリアージュを検討するのは牛肉をメインにすればいいでしょう。
また、すき焼きは溶き卵で素材をマスキングしてまろやかな味わいに仕上げるところに最大の特徴があります。
牛肉は軽く煮込みますので、ある程度の脂のさしが入っていないとぱさぱさになってしまいます。
そのため霜降りであることが多く、脂の風味をつよくかんじるものでしょう。
また、わりしたの味わいも濃く、そのままいただくのでは案外疲れてしまうものです。
そのため、これを溶き卵でマスキングし、味わいをまろやかにするのです。
すき焼きとワインのマリアージュ
すきやきとワインとのマリアージュは、牛肉の脂の風味、肉のうまみの濃厚さとわりしたの風味を検討しましょう。
タマゴでマスキングをしますがこれは強い風味をまろやかにさせるものなので検討事項は参考程度でかまいません。
すき焼きの味わいはもちろんおいしいのですが、では肉ばかりをずっといただいていると脂の風味が強すぎたり、わりしたが口にのこるものでしょう。
これは赤ワインの渋みと抜群の相性なのです。
焼肉をいただくときに、お水ではなくてウーロン茶が欲しくなるものですが、これも同様の理屈です。
脂の風味をウーロン茶の渋みで中和させるのです。
そのためすき焼きには渋みの強いワインが良いマリアージュなのではないか、という仮説が成り立ちます。
さらに、すき焼きはもともと風味の強いお料理なのでワインも渋味が強いだけでなく、それなりに風味の強いものが求められるのです。
例えば南フランスのコートロティやシャトーヌフデュパプの赤のように、コクがあり、スパイシーで鉄分を感じる赤ワインはベストなマリアージュでしょう。
コートロティもシャトーヌフデュパプも渋みが強く、これがすき焼きの濃い風味と合わせやすいのです。
もっとも、ご家庭ではコートロティもシャトーヌフデュパプはやや高価かもしれません。
同じブドウを使ったコートデュローヌやオーストラリアのシラーズがあればそれでも全く問題ありません。
すき焼きはじっくりと時間をかけていただける料理のため、高級ワインにも合わせやすいです。
この場合はボルドーの格付けシャトーやブルゴーニュの特級ワインでもいいでしょう。
ただし、厳密にいえばすき焼きは風味が強すぎてこれらのワインの繊細さを損ねる可能性はあります。
高級ワインに合わせるときは、できれば味付けを若干おさえ目にしてワインの風味を生かすようにしてみてはいかがでしょうか。
すき焼きにワインを加える?
ワインに合わせるために、すき焼きに赤ワインを加える、ということももちろんいいでしょう。
例えば風味づけにポートワインをほんの少し加えればすき焼きにワインの風味と甘みが加わって合わせやすくなります。
ただし、加えすぎるとすき焼きというよりも牛肉の赤ワイン煮込みになってしまいますし、そもそもすき焼きのイメージには程遠くなってしまいます。
ワインとのマリアージュありきであれば、なにも無理やりワインを加えたすき焼きを作るよりも、ワインに合う料理をゼロベースで考えたほうが無難かもしれません。
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