一般的にワインファンは何かしらのきっかけでワイン好きになったのち、ブルゴーニュワインに強烈に惹かれるタイミングが必ずあります。
ブルゴーニュワインは赤・白両方ともほぼ単一のブドウ品種で造るのですが、畑ごとの差が激しくこれがワインファンを魅了しているのかもしれません。
また、全く同じワインであったとしてもドメーヌ(ワイン生産者)が違うとワインづくりに対する考え方が違い、それがワインの良し悪しに影響を与えていることもあるのです。
実際にはブルゴーニュワインを知るためにはこのように複雑な事情を知る必要もあるのですが、それではとおまりすぎますのでまずは重要な”格付け”を知りましょう。
格付けを知ればおおよその品質の検討を付けることができます。ぜひご参考ください。
意外に簡単?ブルゴーニュワインの格付け
ブルゴーニュには4つの格付けしかない
意外に思われるかもしれませんが、ブルゴーニュはボルドーのように地区ごとに格付けがあるわけではなく、全体で4つの格付けしかありません。
この4つの格付けは、一番上からグランクリュ、プルミエクリュ、村名クラス、地域名クラスになります。
名前の響きからなんとなくグランクリュが一番高そうなイメージがあります。
もちろん全体から見るとその通りなのですが、一番下の地方名であっても作り手によってはとびぬけて良かったり、特級畑であっても評価の低いものもあります。
特級畑(グランクリュ)
グランクリュはブルゴーニュの中でも特に品質の高いワインを生産する畑のことです。
生産量は、全体の概ね1.4%しかありませんので、大変な希少ワインといえます。
上の画像はフェブレーという有名なつくり手で、CHAMBERTIN CLOS DE BEZEという特級畑のワインのラベルです。
赤枠の下の部分にGRAND CRUと書かれていますが、これが特級畑で生産されたワインだという証明になります。
特級畑には有名なロマネコンティやコルトンシャルルマーニュなどのフランスどころかワイン界を代表するような銘柄がごろごろしています。
一級畑(プルミエクリュ)
次に、同じフェブレーのラベルでも一級畑を見てみましょう。
同じGEVREY CHAMBERTIN村のワインではありますが、そのなかでCLOS DES ISSARTSという畑のワインです。
これは格付けでは一級畑に属しています。
生産量は、全体の10%程度なので、希少性が高いです。
赤枠の下に”PREMIER CRU”と記載がありますが、これが一級畑のワインの証明になります。
グランクリュには格付け上及びませんが、中にはグランクリュを超える評価のワインもたくさんありますし、決して特急畑の二番煎じという品質ではありません。
村名クラス
では、次に村名クラスを見てみましょう赤枠の中には”GEVREY-CHAMBERTIN”の記載しかありません。
生産量は、36%程度と、ボリュームゾーンといえます。
すこし難しくなりますが、この”GEVREY-CHAMBERTIN”とは村の名前で、その村でとれた様々な畑のブドウをブレンドしてワインを造りました、というラベルになります。
細かい字になりますが、GEVREY-CHAMBERTIN村はブルゴーニュの中でも北部に属します。
実際に北部から歩いてみると、ワインの本で見たことがある特急畑が並び、感動をする人も多いのではないでしょうか。
このクラスはワインショップでは3000円程度で入手できますし、ワインバーでも1万円以下のものがほとんどです。
ブレンドして造ったといっても造り手によってはその作り手の品質基準になるブランドですので決して手を抜いたものを出回らせることはありません。
地域名クラス
では、最後に地域名のワインを見てみましょう。
上の写真のように”BOURGOGNE”とありますが、BOURGOGNEは地域名なので、村名クラスよりも広い地域のごとの、とれたブドウをブレンドして造ります。
このクラスはさすがにとびぬけて品質が高いというものは見当たりません。
ただしそれが悪い品質というものではなく、飲みやすく、キャッチーでブドウ品種の個性を感じるという意味です。
高価なワインは濃縮した特殊な造り方をしますが、それだとワインビギナーにとっては飲みづらい印象になることもあります。
逆に「ピノノワールを飲みたいけど、飲みやすいものがいい」という場合は地域名クラスでも十分に楽しめます。
まとめ
いかがでしょうか。
ブルゴーニュには4つの格付けがあって、それぞれ特級畑、一級畑、村名クラス、地域名クラスに分かれます。
値段は特級畑が一番高く、地域名クラスが一番低いのはその通りですが、中には例外があって、それがブルゴーニュワインの魅力でもあります。
また、値段が高い=あなたにとってのいいワインとは限りません。
高級なワインは高価な値段をつけるために濃縮し、ギリギリまで生産量を落としたりなどの特殊な造り方をします。
このようなワインは、特殊なケースにこそ魅力を発揮するもので、必ずしもデイリーワイン向けの味わいにはなっていません。
飲みやすく、気軽に楽しみたいという場合は村名クラス、地域名クラスでも十分ですし、ブルゴーニュワインをこれから楽しむという人にはとりあえず村名クラスから楽しむのもいいでしょう。