ワインのアルコールは、ブドウの果実に含まれる糖分(ブドウ糖)が酵母の働きによってエチルアルコールと炭酸ガスに分解されるアルコール発酵によって生まれます。
炭酸ガスとは二酸化炭素のことで、発酵途中で気化して液体と分離されます。
ただし、シャンパーニュなどのように閉鎖的な環境では二酸化炭素は水溶性のため液体に溶け込み、これによってワインは発泡性ワインとなるのです。
アルコールはワインにボディとコクをあたえ、糖分ほどではありませんがほんのりとした甘味を感じさせます。
酵母はいくつもの種類に分かれていて、発酵初期、発酵中期、発酵後期で様子が変わります。
最終的に残るのはアルコール耐性の最も強いサッカロミセスバヤヌス酵母とされています。
もっとも、アルコール発酵によってブドウ果汁はどんどんアルコール度数を増しますが、バヤヌス酵母でもアルコールが14%程度になると殺菌作用によって死滅してしまいます。
そのためスティルワインは最高でも14%程度のアルコール度数にとどまるのです。
ここからわかることは、
①糖分がアルコールに転換するということは、糖分が高いブドウからはアルコールの高いワインができるのではないか
②アルコール発酵の進み具合によっては糖分が残ったワインになるのではないか
③アルコールを人為的に添加すれば糖分を残したまま発酵はストップするのではないか
などの仮説が成り立ちます。そしてこれらの仮説はすべて妥当です。
①に関しては、糖分の高いブドウを得る為には、まずは糖分の上がりやすいブドウ品種の選択が必要です。
さらに、いずれにせよ新陳代謝のための日照量が必要で、さらに収穫量を減らすことで濃縮されたモストをプレスすることで得られます。
②,③に関しては、VDL,VDNをそれぞれご参照ください。